好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「聖里奈!」

「……………いやっ…」


私はパパを睨みつけた。

こうやってパパの顔をじっくり見たのは何年ぶりだろう。

「私は勉強さえしてればそれでいいの!?」

「な、何言ってるんだ!」

初めての娘の抵抗に、さすがの愛崎グループ社長も、眉間に皺を寄せた。

「私はパパの操り人形なんかじゃない!」