好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「どうした?」

「……」

「またイジメられたか?」

「そうじゃないの、あのね……」


彼女が何かを口にしようとしたとき


和希の視界から彼女が消えた。



すぐ横で車が急ブレーキをかける音がして


赤い水しぶきのようなものが和希の服に飛び散った。