好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「彼女はどこだ?」

「病院さ。じーさんとばーさんも一緒だ」

「病院って、何か病気にでもなったのか?」

「しらばっくれるなって」

「??」

「だから、金持ちは嫌いなんだ」

「??? 何、言ってる?」

和希は目の焦点も合わずに、何かをブツブツ言っている。

俺は怖くなって足を一歩後退させた。