好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

男の声がした。

「人殺し」

「誰か…いるのか?」

俺は恐怖で、喉の奥から無理やり声を絞りだした。


「いるさ」

畳みがこすれる音がして

誰かが近づくのを感じた。


ドアから差し込む光で、

その黒い塊が段々とあの男だと確認できた。