好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「そんなに、あいつのことが好きなの?」

俺は、外で待っている奴のほうに視線を投げた。


彼女はただ黙って

ゆっくり頷いた。


俺はそれ以上はもう何も言えなくなって

彼女の肩をぽんと叩いた。


「ありがと」


ぽつりと彼女が言った。


それが俺の聞いた、

彼女の最後の声だった――