好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

3つしかないテーブルの一番奥に光さんは座っていた。

後ろ姿は本当に淳にそっくりだ。


「あ、聖里奈さん、だね?」


片手にコーヒーカップを持ったまま、私のほうに振り向いた。


「お待たせしました」

「待ってないよ。マスター、コーヒーをひとつ、こちらに」


入ってすぐのカウンターで皿を洗っていた中年のマスターは

返事もなく、コーヒー豆を挽き始めた。