好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「おいおい、転ぶなよ」

淳がツッコんで、光がくすりと笑った。

美紀と、光と、淳。

三人が楽しそうにしているのを、私は少し離れて眺めた。


この三人の中には入れない――


そんな小さく固まった気持ちが、公園に来て和らいだ。

小さく可憐なコスモスの優しい色たちが、一斉に私たちを出迎えてくれたのだ。


あたり一面、見渡す限りのコスモス。

コスモスの世界の中に溶け込んでいくようだ。