好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕


「今日は、駄目っ!」

幸せそうに歩く美紀と光の後姿を見ながら、心の中で叫んだ。


今日は

今日だけは

純粋に淳の彼女として、過ごそう。


そして明日からは……


「公園見えてきたー! きゃあ、見て! 超キレイ!!」

公園の入り口からすでに、溢れんばかりのコスモスの赤や白が覗いていた。

美紀はミニスカートにも構わずに、

飛んだり跳ねたりして、小さな子どものようにはしゃいだ。