好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「天気いいしさ、光さんもお花の香りが好きだもん、ねっ!」

美紀が自然に光の腕に手を回した。

甘えるように美紀が顔を近づけると

光も応えるように髪を撫でた。


愛し合うってこういうことなんだ。


私はその様子をただぼんやり眺めた。

「俺、人数分の切符買ってくるから」

淳が切符売り場に走った。