「ホントに?ホントにホント?」奈緒美は嬉しくて嬉しくて何度も聞き返す。優稀は「ホントだっつってんだろ。」ちょっとうるせーなー的な感じで言った。奈緒美はたとえ優稀がキレてても話しをしてくれるってだけで嬉しかった。そしていきなり「じゃあさ好きな人いんの?」優稀はえって顔しながら「いねーよ。」奈緒美は「じゃあさ携帯のアドレス教えて。」と下を向いて顔を見せないように言った。「ばーか。やです。」「お願い。お願い。お願い。」何回も言った。すると優稀がちょっと考えて「わかったよ。」と言ってくれた。『やったー!結構優稀に近づけたのかな。』「はい!これが俺のアドレス!」ノートの端っこをちぎった紙にアドレスが書いてあった。
‐キーンコーンカーンコーン‐
「今日はこれで帰ります。」先生が言ったとたん生徒たちの「やったー」の声でいっぱいになった。