<杏利Side>
電話だ。
ディスプレイには“大輝”の文字。
早くない?
『も、もしもし!!杏利助けてくれ〜「ママァ〜ママァ〜」』
「どうしたの?子供の泣き声...何、大輝誘拐でもしたの!?」
『な、訳ねぇだろ!!家帰ったら、居たんだよ...』
「はぁ〜!?ちょっと待ってて、今いくから。」
「お疲れ様でした。」
「あっ、お疲れ様で〜す。」
「まだ学校だから、急いで行くから待ってて!!」
『早くきてくれ〜』
「はいはい、一旦切るよ?じゃあねブツッ」
ハァーどうしよう....
まだ委員会の書類が...
「私がやっとくよ。」
「お姉...」
「行ってあげな!!」
「ありがとう...」
「昨日のお礼よ♪」
「ありがと、あっ一応鍵渡しとくけど迎えに来たら、ちゃんと帰るんだよ〜」
「あいよ!」
「じゃあ、お先に失礼します!!」
「「お疲れ様〜」」
廊下を全力疾走。
靴を履き変えて、駐車場まで全力疾走!!
ヒールで走るのって疲れる....
急いで大輝の家に向かう。

