<杏利Side>


慌ただしい一日になった大晦日、夕方やっと手続きが完了して帰宅すると女物と男物の靴が…


「……そっちこそどうなのよ」

「だから仕事だっつってんだろ」

「あら初耳」


この声は奈美達か…


「随分と賑やかね」

「杏利ー!」

「おかえり」

「ただいま」

「お邪魔してまーす」


この2人一体仲良いのか悪いのかなんなのよ…

一緒に押し掛けてくるなんて。


「夕飯はどうするの?」

「蕎麦ならあるけど…まさか来るとは思ってなかったから用意してないわよ」

「よし、杏利買い物行こ〜う♪」

「そうね、行こっか」

「車出すか?」

「じゃあお願い」

「じゃあ俺も着いてこーっと」

「なら、外で食べようよ」

「そうだな」

「なんかWデートみたい!」

「俺ら付き合ってねぇし」

「今日だけ恋人になる?」

「黙れ」

「口の悪い医者ね〜」