でも弥紗ちゃんはずっと
私に優しく接してくれた。

新人の私だけれども
すぐ友達になってくれたし。

私は彼女を信頼している。


だからそんな子を疑ったりは
したくない。


「すみません!
 私がつい寄り道しちゃって…」


とりあえず嘘をついて誤魔化した。
これは弥紗ちゃんをかばうためだ。


「いいよ
 亜希が無事で何よりだし」

姉は許してくれた。
やっぱり優しい。


「ところで…
 亜希 服泥だらけだよ…!」

「え?」


私はふと自分の服を見た。
本当に泥だらけだった。

まるで公園で遊んで帰ってきた
子供みたいだった。

多分林の中を入ったりしたからかな。
せっかく用意してれた衣装なのに…。


「大丈夫よ。替え用の衣装はあるし。
 とにかく着替えに行きましょう」

スタッフの一人が言った。

あぁ良かった。
ひとまず安心。


そして私は急いで着替え
撮影に臨んだ。