私も同感だ。

「何でですか?」

「今仕事中だよ!
 ダメだよ 急にいなくなっちゃったら」

私と全く同じことを言った。
やっぱそうだよね。


「でもずぅっとこんな狭いところで
 長時間待たされるのは困りますよぉ」

姉の言葉に対抗する弥紗ちゃん。
彼女はけっこうワガママだ。
どんだけ苛立っているのだろう。


「いいじゃないですか
 ちょっとだけ…!
 近くまで出るだけですよぉ」

「う~ん…」

姉は迷っている。
まるでスタッフさんみたいだ。
本気で悩んでいる表情をしていた。


「そこまで言うなら…
 しょうがないね
 でも絶対遠くまで行かないこと!
 あと10分以内には戻ってくること!」

「本当ですか!?さすが美希さん!
 器が大きいです」

美希ねぇいいんだね。
でもあんなに迷ってそんな答え
なのなら、姉は弥紗ちゃんを
信じているっていうことだろう。


「よしじゃあアキ行こっか」

私行くなんて一言も言ってないけど…。
まあ私暇だし、
しばらく出番なさそうだし
姉に許可貰ったし…。

別にいいかな。

「うん 行こう!」

私と弥紗ちゃんはバスを出て行った。