「私からの提案。



 あなたには我が社のモデル雑誌
 『CROSS』の読者モデルと
 なってもらいます」


…はい?


今までずっと話を聞いていたのに
急にぽかーんとなってしまった。
開いた口がふさがらない状態だ。


それに…私がモデル?
こんな地味な私が?
いきなり何言っているの?


「凄いじゃん亜希!
 ついに姉妹揃ってモデルだねっ」

「亜希ちゃんこれはチャンスだよ!」


姉とミナちゃんは凄い嬉しそうだった。
どうやらこの2人も話の内容を
知らなかったみたい。



いきなりこんなこと言うなんて…

「あの…あなたは一体何者なんですか?」


すると女性は微笑んだ。


「よく聞いてくれたわね。
 
 私は『CROSS』の編集長よ。
 そしてココはその出版社。
 驚いたでしょう?」


驚きすぎて言葉になりません。
まさか姉とミナちゃんはずっとそれを
隠していたんだ。目的がバレないように。

それに『CROSS』の編集長に
出会えるなんて…。


まさか、呼ばれた意味が
こんな大事(おおごと)になる
出来事なんて思いもよらなかった。