SECRET×CROSS


「今から美希さんもメイクなんですねっ
 楽しみにしています!」

そう言って
弥紗ちゃんはメイク室を出て行った。

そうか。私はメイクをしに
ココに来たんだっけ。


あ、しまった…。
姉からメイク道具を借りてきたのは
いいものの、私はメイクを
したことがなかった。


リップぐらいは分かるが
何だこれ?って思う物も
たくさんある。

私が知らないだけなのか。
普通モデル業なんてやっている人は
こんなもの知っているに当然だよね。

駄目だなぁ私…。


なんて思っていた。





「美希さんどうしたんですか?」

さっきメイク室を出て行ったはずの
弥紗ちゃんが戻ってきた。


「あれ、どうしたの?」

「美希さん困っていたみたいだから…」


私が困っていたのに気づいてくれたんだ。
すごく優しい子。


そうだ。
せっかくだからメイクの仕方は
この子に教えてみよう。