「ココでメイクしてね」
ミナちゃんに案内されたのはメイク室。
モデルさんたちがメイク中。
「あ!美希さんこんにちはっ」
誰かが私に話しかけてきた。
あれ?この人どこかで見たことがある…。
「美希さんなかなか来なかったんで
弥紗すっごく心配しました!」
みさ…。あ 思い出した。
確かこの子はテレビでも大活躍している
三宅弥紗という少女だ。
この子は私と同じ15歳の中学3年生。
正直信じられない。
こんな大人っぽい顔をしていて
スタイルが良いのに同い年なんて…。
同じ人間でもこんなに違いがあるんだ。
何だか恥ずかしくなってきた。
「美希さん?どうしたんですか?」
「あ!…いや何でもないよ!」
うっかり表情が出てしまった。
気を付けないと。
「困ったことがあったらすぐ弥紗に
教えてくださいよ!
美希さんのためだったら
弥紗なんだってしますよ!」
弥紗ちゃんは姉のことを
尊敬しているみたいだ。
何だか頼もしいし羨ましい。
「ありがとう」
でも彼女は知らない。
ココにいるのは美希さんじゃなくて
その妹の亜希さんです。
一般人です。
知らない人です。
申し訳ない話だ。


