私たちは舞台に上がった。

「「…デカッ!」」

みんな口を揃えて言った。
私も素人だが確かに広く感じた。
こんなところでファッションショーやるんだ。


「何か前の時より広くないですか?」

すると編集長は微笑みながら言った。

「実はね…ついにここを貸し切ってくれたのよ!
 普段はなかなか使わせてくれないから
 今年は特別よ!」


これにはモデル全員が喜んだ。
むしろ私しか無反応だった。
これはこれで恥ずかしい。
だから私も無理矢理だが喜んだ。

でも実際は、何も実感がなかった。


「亜希やばいね!
 私の心拍数がどんどん上がってきた!」

姉がいきなり私に抱き付いてきた。
これが姉が望んでいた大きな舞台に立つこと
なのかな。

確かに中はとてつもなく大きい。
姉の願いが叶うチャンスなのかな。

そう考えると、私もなんだか嬉しくなる。