「みんな着いたわよ」

同行していた編集長が言った。
もう着いたんだ。

窓から大きな建物が見える。
随分大きなところだなぁ。
…もしかしてココでやるの?


「編集長何かデカくないですか?」

姉が編集長に聞いた。


「そうなの!
 今年はココでやるの」

編集長は満面の笑顔で言った。
モデルさんたちはさらに興奮した。


「アキマジヤバいね!」

弥紗ちゃんが私に近づいて行った。
今までおとなしかった弥紗ちゃんが
興奮するほど凄いことなんだろう。


一方姉は無言だった。
だけど顔を見たら口が歪んでいる。
もしかして嬉しすぎてにやけちゃってるのかな?

美希ねぇは大きな舞台に立ちたいって
言っていた。

もしかしたら今年は
その願いが叶うってことだ。

そりゃあ嬉しいよね。


ちなみに私は興奮というより
本当に自分がこのステージに立つのか
あまり意識できていなかった。