とりあえず異世界へ来てから1時間がたっただろうか。

蹴り出された当初、着いた場所は町の裏の細道だった。

ゴミ箱とか猫とかがいる感じのイメージの、よくある裏道的なところだ。

とりあえずそっと裏道から顔だけだして辺りを見渡してみたら、表は大通りになっていて、まさにファンタジー!みたいな服を着た人(?)達でにぎわっていた。


「今の格好だと、逆に目立つか…?」

自分の服を見直してみると、メーカーのロゴの入ったTシャツとカーゴパンツ
我ながらかなり微妙なファッションセンス。

こっちの人(?)は剣に弓矢に銃に斤といった、明らかな武器を担いでマントをひらめかせている


マントが主流なのだろうか

とりあえず羽織るだけでも目立つことはなくなるだろう

「魔法で…出せるか?どうやればいいんだ?」

魔法が使えるようにしたとか言ってたが、使い方は聞いていない


……まぁ、『開けゴマ』で異世界の扉が開くんだし、なにか適当に唱えればうまくいくか

じゃあ………




「カモンッッマント!!」


ぽんっ





間抜けな爆発音と共に上がった煙が晴れると、そこには確かに俺が望んだマントが落ちていた
意気揚々とそれに腕を通し、ひらひらとひらめかせてみる


よし、これならあのなかでも大丈夫だろう




不安少しと強い好奇心を持って
ついに大通りへと歩を進めた