ピーンポーンピーンポーン
「来た!優香や!」
「出てくるワ」
私はひとり、咲夜の部屋で待つ。
優香はなんて言うんだろうか?
怒っとるよな。
それとも、
「蘭胡じゃないよね。」
って、信じてくれてるかな?
いろいろな考えがあったが、
荒い足音が聞こえ始めて、一瞬で緊張が溢れた。
ばんっ!
いきなり開いた戸からは、
優香、がいた。
「あ…優香、あのね」
「なんや、あの記事!うちは信じとったのに!」
「優香!聞いて!」
「…っ!」
私は、しっかり優香の目を見て、
「私じゃないんや、優香」
と、言った。
優香は黙ったままだった。
「私は優香がすごい大切。嘘でもこんなこと言わん。それは、優香、あんたが一番わかってるやろ?それでも疑うんやったら、勝手にして」
私は言い終わると、うつむいている優香の肩をつかんだ。
「こっち見て」
優香は恐る恐る上を向いた。
「信じてくれる?」

