その妖、危険につき

「…いつからいとこになったの?」

「親戚のほうがお前もいろいろ都合いいだろ? 男と同棲なんて学校にわかったらまずいんじゃねえの?」

それでも十分怪しいけど。それにしても。


「あやかしって意外と常識あるの?」

「交じって暮らしてりゃそれくらいの知恵つくっての」

廉は肩をすくめた。最初は冗談かとも思っていたけど、廉は本当に大学生で、きちんと通っているみたいだった。



「ねえ…」

「ひなた、左見んなよ」

「何で?」

見るなと言われて思わず見そうになると、廉の手が後ろから伸びてきて、抱きしめるように目を塞いだ。