その妖、危険につき

優しい声と、今までしてもらったことのないような助言に、目が瞬いてしまう。


「僕はこういうの専門家だから」

「専門家?」

「そう。本業は大学生なんだけどね。あ、君の友達戻ってきたみたいだね。じゃあね」

彼はあっさりと私から離れていく。


「あ、ありがとうございました」

かろうじて彼の背中にお礼を言うと、横顔で笑顔を見せてくれた。彼の後ろには女性の霊がぴったりとついていた。