ばちん、と額を叩かれた痛みで目が覚めた。 「今日、出かけるんじゃないのか?」 目の前に廉の大きな手があった。 「痛い。…出かけるけど」 嫌な夢を見た、気がする。内容は覚えていないけど。生温かいものが頬を伝う。 「うなされてたけど、こわーい夢でも見てたのか?」 廉がからかうような目を私に向ける。私は答える代わりに枕を投げつけたけど、廉はひょいとよける。むかつく。