退院の日の朝、 蒼井さんが私の病室にやってきました。 『小春ちゃん、これ‥』 蒼井さんは、白い便せんを私に差し出しました。 『葉月から、小春ちゃんにだって。 ここの病院で葉月の担当をしてた看護士さんから預かったの。』 「葉月が‥?」 私は便せんを受け取りました。 真っ白な便せんには 『小春へ』 とあなたの字で書かれていました。 .