次第に車も見えなくなりました。 一人、取り残された私は 看護士さん達の片付けがまだ始まっていない、あなたの病室へ戻りました。 一分前にはここにいたから まだあなたの香りも 温もりも消えてなくて‥。 私は込み上げてくる涙をこらえました。 そしてあの石を握りしめて言いました。 「葉月、今日を新しいスタートにしようね。私も頑張るから。」 心の中のあなたにつぶやきました。 .