龍華ー一人の華ー

すると、男は一瞬だけ私に…。

「そこ動くなよ?」

と言ってきた。
正直驚いたけど、動いたら何かされそうだったので端からそんなつもりはない。

「あー、分かった。
んじゃ、今から行く。」

そう男が言うとチラッと私を見て、

「一緒に連れていきたい女の子がいんだけど…。」

と言ってきた。

「ハ!?」

急に言われた言葉に驚いて大きな声を出してしまった。

「うん。ありがとう。んじゃ、あとで。」

男はそう言って電話を切り私を見てニコッ。

「てなわけだから、行くよ?」

「意味わかんないし!!嫌だ!!絶対行かない!!」

嫌だイヤだと叫ぶ私を無視して、男は私の腕を掴み引きずりながらバイクまで歩いた。

「あ、俺名前言った?てか、俺のこと知ってる?」

「聞いてもないし、知らない。」

途中で諦めて男に引っ張られながら来た。