龍華ー一人の華ー

「はい。着いたよ?」

「ありがと。」

「うん。おやすみ!!バイバイ!!」

「おやすみ。バイバイ。」
そう言って家とは逆方向に歩いていこうとしたとき、ハルに腕を掴まれた。

「…なに?」

「街に行くの?」

「…。」

「ダメ。家に帰る!!」

そう言うハルに連れられて、家の前まで来てしまった。
本名がバレることはなかったが正直焦った。

「じゃあね!!」

「うん…。」

仕方なく私は、家に入った。
しばらくするとハルのバイクが走り去る音が聞こえた。
その音が消えたのを確認すると、私は「狂龍」として街へ出た。

次の日学校に行くと「狂龍が出た」という話で盛り上がっていた。
少し暴れただけですぐに噂になってしまう。
教室に行ってもその話で盛り上がっていた。
根も葉もないことまで話している。

しばらくしたら担任が入ってきた。