龍華ー一人の華ー

男はただジッと私を見ていた。

「んで、こいつはJOKERの総長の遠藤 怜。レイさんってみんな呼んでる。」

「ハー…。」

この人が、総長か。
私は、さっきから見られていることに気になって聞いてみた。

「あの~?なんですか?」
「…。」

「あの~?」

「なんでもね。」

なんだこいつ?
一瞬そう思った。

しばらく会話をして、ふと時計を見るともう9時を過ぎていた。

「もう帰る?」

「え?あ…うん。」

「そっか。じゃあ、送るよ。」

そう言ったハルに続いて私は、その場を後にした。
本当は帰りたくなかった。
家に帰っても一人ぼっちだから。