「嫌だなぁ。そんなことより、急いでいるんだろう?」



愛は美少年の容姿に気をとられて



遅刻しそうなのを忘れていた



「僕も急いでるんだ」



心配そうに懐中時計を見やる



「そうだ!これ、渡しておくね」



無理やり押し付けられたそれは、小さな金色の鍵だった



「これっ何の鍵なんですか?」



鍵から美少年のほうに目を向けると



美少年の姿はもう無かった