新撰組(仮)

さっきまであんなに恥ずかしかったのに今度はしっかりと齋藤さんの目を見る事ができた。




「すみません・・・

 
 ありがとうございます、わざわざ。」




私は空いている片方の手を齋藤さんの指に重ねて、





「齋藤さんの指、冷たくて気持ちいいです」




そうしてもらったのが本当にうれしくて笑顔で礼を述べると齋藤さんは顔を真っ赤にさせ、横を向いたままで「あぁ」と小さく言った。




気づくと齋藤さんの指は少し濡れていた。




手巾ばかりじゃ冷たいだろうから、っていうそういう心配りに心からは温かくなった。





全ての男の人がそういう人ってわけじゃないのよね・・・





男性恐怖症を克服する第一歩が踏み出せた。