「これは、すごい・・・」


台所に来てみて私は絶句した。



遠くまでにおってくる焦げた臭い。


そして、中は煙で真っ白。


皿の上に乗っかっているのはすべてが丸焦げでもとの食材の区別がつかなかった。



どうやったら、ここまで・・・


これはもう、尊敬の域まで達している。



「す、すまねえ奏楽。


 こんなに才能がないとは思わなくて・・・」


申し訳ないという顔をするみんなに私は苦笑いを浮かべた。



「いえ、元はと言えば私がさぼったのがいけないんですし・・・」



「いや、でも、毎日作ってほしいって言ったのはこっちだし・・・」



「ああ、休みだって必要だったよな」



「こっちが頼んだんだし、俺たちが手伝うのは当たり前かなって思ったんだけど・・・」


そこまで言って3馬鹿はお互いに顔を見合わせ、



「「「すいませんでしたっ!!!」」」



と頭を下げた。

その様子を沖田さんと山南さん、近藤さんは笑っているし、齋藤さんと土方さんは目をそれらに合わせようとしない。


かくいう私はぽかん、として見ていた。