新撰組(仮)

心配かけてしまった・・・


しゅん・・・としていると頭に山南さんの手が乗って撫でてくれた。




「奏楽さんが来てくれてからここは変わりました。


 悪いほうでなくて良いほうに、です。

 
 ・・・奏楽さんはここのたいせつな人です。


 そんな人がこんな時間にここにいて風邪をひいてしまったなら大問題ですよ。


 そろそろ夕餉が出来上がったはずです。


 みんなの所に行きましょうか」



それに夕餉が心配です、最初に台所に向かいましょうか。



あんなことを言っておいてなんやかんやで山南さんも夕餉が心配なんだな、と思ってくすくすと笑ってしまった。



その様子を山南さんは頭をなでながら見ててくれた。



頭を撫でられながら頬に冷たい、一筋の滴が伝った。



久々の涙だった。



それは、今までのことが流れ出てくるかのように頬を伝った。



「悩み事があるのは皆同じです。


 けれど、奏楽さんの悩み事は並大抵のものではなかったのですね・・・



 奏楽さんの周りには私たちがいます。

 奏楽さんが悲しかったらみんな悲しいです。ここにいるみんなです。


 ここのみんなは奏楽さんの味方です」



その言葉に心が温かくなった。