新撰組(仮)

まだ、疑われているのだろうか?

昨日は、「疑って悪かった」って謝られたけど…

実はそれも私を油断させるための罠だったりして?


やだー、気抜けないじゃないかぁ…
宿に戻りたい。切実に。


これから先の不安を感じながら、着替えるために布団から出るのであった。




それから一刻ほどしてから
朝餉を持ってさっきの二人が来た。

ほらやっぱり、朝餉の時間には早すぎるんだって。
一刻も待たせやがって・・・
一刻もあれば寝てたし!!
私の大事な睡眠時間が・・・

「すまねえな、朝稽古が終わるのに合わせて作ってるからまだ出来上がってない、って言われちまってな。遅くなった。」


なぜだ、なぜ朝稽古終了に合わせて起こしに来なかったんだ…‼

やることがなくてすっごく暇だった。




「ごちそうさまでした。」


その後、朝餉をを食べ終えた私は
別の部屋に移動していた。


「近藤さん。入るぞ。」


襖を開け、中にはいると
数人の男性が座っていた。


部屋の真ん中に座る私に、それを取り囲むように左右に座る男たち。



「朝早くにすまんな。
 
 俺はここ、壬生浪士組局長の
 近藤 勇(コンドウ イサミ)
 と申す!」



その中で、私と対面する形で座っている三十路前の男が朗らかに笑いかけた。
その両隣には土方さんと、もう一人が座っていた。


「お初に御目文字仕ります。
 私、鳳 紫水(オオトリ シスイ)と申すものにございます。
 昨晩は、危ないところを助けていただき恐悦至極に存じます。」




「はは、まぁ、そう固くならんでいただきたい。 
 こちらとしては、辻斬りを捕縛していただくのにご協力くださったとか。
 ご協力、感謝致します。」