新撰組(仮)

「そんなに、顔に出てます?」


笑顔を作ってみたがきれいにできているかは分からない。



あんまり心配かけたくないから、きれいにできてるといいな。




「・・・。


 そうですね、いつも真面目な奏楽さんが仕事をさぼるというのは、心配するのに十分な理由ではないでしょうか」




「・・・すみません


 ちょっと、ぼーっとしてまして、忘れてました。



 今から、つくりますね」



ご心配おかけしてすみません、そういって立ち上がろうとした。



けれど、見えない何かによってまた、座りなおした。



なんだろう、山南さんから出てる雰囲気というか、視線から逃れることができなかった。



・・・この緊張感は一体なんだ?



「その心配には及びませんよ。


 今、幹部のみんなが一生懸命、協力して作っています。」



「幹部の、みんなが?」



・・・やばい、それはやばい!!


幹部のみんなが協力なんてしたら、それを食べた人全員あの世行きだって!!


下手すりゃ、この屯所・・・墜ちる!


協力して作っている幹部たちの姿を想像して、血の気がサーッと引いていくのを感じた。