新撰組(仮)

「奏楽様、あなた様は未来を予知する力があります。


 その力は天皇をも動かす絶対的な力。

 
 あなた様が先見の巫女であると知られたならば、今まで以上に命の危険に晒されます。


 ・・・ご自身のお立場をどうか、ご理解くださいませ」



そんなことを言われたような気がする。



もう、後のことはあまり覚えていなくて、気づいたら自分の部屋に戻ってきていた。



『しばらくは、私も千春殿も屯所におりますのでお休みの日はお知らせください』


そんなこと言われてもな~・・・



次の日の休みは叔父様に会うのか・・・



会って何を話せと。



昔の、心のずっと奥にしまっていた記憶を引っ張り出してからどうも気分がすぐれない。



ここに来る前はずっと叔父様に会いたがっていたのに。



・・・私はなんのために、叔父様に会いたがっていたのだろうか?


私は----------



「奏楽さん」



凛、とした声が耳に届いて私の思考は途切れた。



「山南さん」



振り返ると、微笑をたたえた山南さんが立っていた。