新撰組(仮)

久佐波さんが口を開いたのは少ししてから、それでも顔は伏せたままで。



「陰陽術をはじめ、色々・・・


 呪術など、呪術師としての力があったのです」



それだけでもすごいことなんだろうけど、もっと決定的な何かがあるんだと思った。


大公としての決定的な『何か』


久佐波さんのいつまでもうつむいたままの様子からそう感じた。



「それだけではなく、未来を予知する能力をもった女性が蔵本家に当時、いたのです」



未来を、予知する能力・・・


そんな能力が本当に存在するの??


そんなの、きっとそれを狙って戦が起きる。


たくさんの犠牲を払う大きな「戦」が・・・




「その方は、捨て子だったのです」


捨て子・・・!!!



「昔、寺社の前に樽桶の中に入れられていた生後幼い女子。

 
 その時ちょうどその前を通りかかった紀道さまに拾われて養女として蔵本家でお世話になることになったのです。」



なるほど、まだ力が世間に知らされていない時に見つかったから、大きな戦を招かずにすんだのか・・・。