新撰組(仮)

[なんでそんな位を叔父様の曾お爺様のころから名乗ることを許されたんですか]


最後まで発することができなかったが、久佐波さんは私の考えをくみ取って答えてくれた。



「・・・力があったのです」


「『力』ですか?」


「はい。」


そういう久佐波さんは顔をうつむかせて、口を閉ざしてしまった。


部屋に微妙な空気が流れる。


せっかく、私が意を決してしゃべったのにまた緊張し始めた。


「その力とは・・・」


どくん、どくん、どくん・・・


やけに心臓の音が大きく、嫌な音に聞こえた。



「異能の力。


 権力とも武力とも違う、他の人が持っていない力・・・」



異能の力・・・


どんな力なんだろう?


異能って言ってもたくさんあるだろし、世の中の「悪」となる力でなければいいな・・・


そんなことを単純にも思っていた。



「どんな、力なんですか?」



でも、なかなか話し出そうとしない久佐波さんに不安は募るばかりだった。



私が聞いても、久佐波さんはすぐには答えようとしなかった。