新撰組(仮)

それに気づいた久佐波は


「ああ、失礼しました。


 私、久佐波 平八郎と申す、忍びのものでございます」


忍び・・・


っていうか、忍びがやすやすと自分の本名、いっていいのだろうか


「あ、ご丁寧にどうも・・・


 私は---------」


奏楽も自己紹介をしようとしたが、遮られた



「存じております。


 水野 奏楽さまであらせられますね」


「なぜ、私の名を!?」



自己紹介もしてないのになぜ、名前を知っているのだろう。


しかも、偽名じゃなくて本名の方を。


さすがに奏楽もこれには驚いたが、久佐波は奏楽に爆弾を落とした。




「我が主、蔵本恭治様の命により、奏楽様、あなた様をお迎えに上がった次第にございます」




え・・・?


叔父様の命令?




奏楽は明らかに動揺していた。



さっきまで何も話していなかった千春までも悲しい顔をしていた。



ごめんなさい、奏楽様。


あなたにこんなことをやらせるなんて・・・!!