新撰組(仮)

それを聞い土方は茫然としていたがやがて、ふっと笑みをこぼした。



「全く、あんたには負けるぜ。」


まっすぐに、近藤の瞳を見つめ


「俺はあんたを信じる。」


だから、あんたはいつまでも堂々としてろ。


俺は一生あんたについていく。


近藤さん、あんたが死んだとき、俺の生きる意味も失う。


だから、今は夢を見させてくれ。


あの世で、語り合おうぜ。


2人の間に良い雰囲気が流れ始めた瞬間、外から声がかけられた。


「局長、お客様がいらっしゃいました。」



「「客?」」






巡察帰りの私にその知らせが届いたのは、源さんが廊下でそれを教えてくれた時だ。




「千春ちゃんが?」


「ああ、なんでも用があるらしくて、今、局長室にいる」


「千春ちゃんって、この前、源さんたちが助けたっていうあの?」


私が11番隊隊長になって間もないころ、源さんたちが一緒に屯所に連れてきたあの千春ちゃん。



前は、急いでいるからと言って、あまり話ができなかったけど、あとで挨拶くらいはできるかな?


一応、男装をしているとはいえ、私も女だ。


女がいないここで、千春ちゃんの存在は私とってはありがたいかった。


だから、もしかしたら、仲良くなれるかも、とその時私は浮かれていた。


現実はそんなに甘くはないのに……