新撰組(仮)

もし、それが事実ならば大問題。



蔵本家に「何」があるのかはわからないが実力で頂点に立った一族だ。


その姫が京に、しかも自分たちが預かっているなんて知れたら蔵本家が何をしてくるか・・・


この組の存亡に関わってくる話かもしれない。


近藤はここの局長として、それだけは避けなくてはならない。


そのために。



一番の対策法は------------


「あいつを、あるべき場所に戻すべきだ。」



土方はまっすぐに近藤を見つめた。




確かに、それが一番かもしれない。


けど、近藤はそれを認めなかった。



笑顔で近藤は土方を見た。



「トシ、奏楽くんが11番隊隊長になると決まった時、私たちに誓った言葉を覚えているか?」




11番隊隊長になることを了承したあの時。


『では、私は近藤局長、あなたの盾となり刃となりましょう。

 何なりとお申し付けください』



『い、いや、そんなことを望んでいるのではないんだよ奏楽くん!!』



『?

 しかし、11番隊隊長になるということはそういうことなのでは?』