「壬生浪、だと?」


若干、睨みつけるような形で男が久佐波をみた。



「はい。


 この目で確かめてまいりました」




「壬生浪士組とはあの、壬生浪士組か?」


「はい、あの、壬生浪士組でございます」



男は、はあ、とため息をついた。



「・・・だが、壬生朗にはこの前
 


 千春を助けてもらった恩がある。






 私たちが想像していた集団ではないことも分かった。」



立っていた男が元の場所に座った。



「はい。



 考えていたものと正反対でございましたね」




「ああ・・・



 まったく、幕府は一体何を考えているんだか・・・」