もう、稽古の時間じゃ!?


すると、道場のほうから「やぁぁああ」と言う声と竹刀を打ち合う乾いた音が聞こえた。


やばっ!!

もう、始まってる!


そう思い、布団から抜け出た。


朝の寒さが一気に体に襲いかかってきた。


いつもならすぐに布団に潜り込みたいにきなるが


今はそんなことをやっている暇はない。


急いで準備を済ませると今まで自分が汗でびっしょりだったことに気づく。


相当、夢見が悪かったんだな・・・


まあ、あんな夢見せられたら誰でも汗びっしょりになるでしょ。


と、どうでもよいことを考えながら道場へ急いだ。


やべぇ~、土方さん、絶対怒ってるよ。


なんて言って入ろう・・・


道場の入り口の所で固まっていると、後ろから声をかけられた。


「隊長、おはようございます!!」


元気よく響いてきた声に笑顔で返す。


「おはよう!!」


声をかけてきたのは隊士たちであった。


11番隊、自分の隊の隊士たちだった。


みんな井戸のほうからやってきたから休憩中だったのかな??


「それにしても、隊長が遅刻なんて珍しいですね。

 何か、あったんですか??」