「・・・それまでは、奏楽の影武者を頼む。
千春---------」
「はい、分かりました」
その言葉に、恭治は頷いた。
「とはいっても-----------
2か月後には奏楽の誕生日だ。
18歳という記念すべき日に天皇様に挨拶に
行かなくてわいけないというのに・・・
奏楽は何処に行ったのやら・・・」
はあ、と恭治はため息をついた。
ごめんなさい、と千春は思った。
奏楽様は壬生浪士組の屯所にいます。
あれは確かに、私たちが探している奏楽様だ。
私がそのことを恭治様に話せればどんなに良いことか
とおもう。けど・・・
こんなことを奏楽様にやらせるわけにはいかない。
もう少しだけで良い、見つかるのも時間の問題だから。
あと少しでいいから、奏楽様を見つけないで。
------久佐波様。
だって、あそこにいたときの奏楽様ったら、
私にも見せたことのないくらい
楽しそうな笑顔を見せるんですもん
逆に嫉妬してしまいますよ、奏楽様-----------