新撰組(仮)

「ふぅ~、ごちそうさま。
 
 正確には40本だよ。」



そういわれた。
それはもう、満面の笑顔で。


ああ、これ位食べないと
沖田さんは満足しないわけですね・・・



「まったく、総司の奴、俺の分の団子まで食べやがって。」



原田さんが恨めしそうに沖田さんを見ていた。



「ごちそうさまでした、原田さん」



そんな目線なんて気にせず、帰る準備を始める沖田さん。


「ったく、こっちが気遣ってやったっていうのによ」
とブツブツ言っている原田さんと
屯所につくまで終始笑顔だった沖田さんと一緒に
屯所まで帰った。



これから私が恐れていたことが起こってしまうなんて
この時は微塵も考えてはいなかった。







屯所の中のある一室で。



「副長」


「どうした?」


黒ずくめの男が副長---土方歳三に話しかけた。



「鳳は叔父を探しているようです。」


「叔父?」


「はい。蔵本恭治というようです。」


「!!
 (その名前は・・・)」



その名を聞いた瞬間土方の顔が一瞬だが
強ばった。


それを山崎は見逃さなかった



「・・・」



「・・・本人に確かめてみる。」



「よろしくお願いします。

 ・・・副長。」



「なんだ?」



「無理はしないでくださいね」



「・・・ああ。
 分かってる・・・」








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