新撰組(仮)

「へっくしょん!!」


町の中で盛大にくしゃみをしてしまった。

風邪?
…私、風邪とかはひきにくいんだけどな



「なんだ?
 紫水。風邪か?」


「大丈夫??」


今日は十番隊と一緒に巡察の日。


「…すみません、心配かけてしまって」


「気にすんな。仲間の体をきづかうのは当たり前のことだ」


そう笑顔で答えてくれる原田さんの隣から
すねたように沖田さんが顔を
こちらに向ける


"仲間"


なんだかこそばゆい


…照れる。




「僕もだからね」



「はい。ありがとうございます」




最近、組全体の雰囲気が良くなってきたように感じる。



それは、自分がここの人に仲間だと認められたからだろうかと思ってみたりしていた。



こんな雰囲気の中で生活できるって
私って、本当に幸せ者だなぁ…



「今日は何事もなく終わるな。」


「ちぇ~、つまんないの。
 この頃、稽古ばっかりで全然
 刀握ってないのに・・・」



はあ、と悲しそうにため息をつく沖田さん。


いやいや、沖田さん。そこ悲しむところじゃないですよね?
普通。



「そんなこと言うなって総司。
 平和なのはいいことだろ?」


「そうですけど・・・」



原田さんが慰めようとして元気にならない沖田さん。


そんな沖田さんの気を使って



「おっ、総司。
 あそこに、甘味処があるぞ。
 寄ってくか?」





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