「みんな、どんどん飲んでくれ!!」



「「「「うおおおおおおおお!!!」」」」


近藤さんの一言で、大広間にいる隊士全員が雄叫びをあげた。


ただいま、私の歓迎会中です。


さっきの自己紹介では何やら一悶着あったけど、丁寧に自己紹介したらみんな納得してくれたみたいでよかったよかった



自己紹介のあとにみんな脅(おび)えて
いたような気がしたんだけど・・・


竹刀もって向かってきた人を、同じく手に持っていた竹刀でぶん殴ったら、伸びた。

そして、もう誰も歯向かってくる人はいなかった。


っていう斬新な自己紹介だった。

ちなみに竹刀もって自己紹介を妨害して、返り討ちにあって伸びた男は数人の男によって退場させられた。


退出の際に睨まれた気がするけど…


沖田さんにいい笑顔で微笑みかけられたから、気にしないことにした。





それにしても私・・・

お酒飲めないんだよね・・・

私の歓迎会なのに、お酒飲めないってどうしたものか・・・と、お茶を綴りながら考えていた。


そこに陽気な永倉さんの声が聞こえてきた



「おう、紫水!!
 飲んでるかぁ?‼」


「………しんぱっつあんさん、
 もう酔ってるんですか?」



近づいて私の肩に腕を回した永倉さんの顔はもう赤くなっている
一体どのくらいの速さでお酒を飲み進めたのやら・・・


さすがはこの組の一、二を争う酒豪だ




「酒ってのはなぁ、酔って何ぼだ!!
 ほら、お前も飲め!!」




そういって、ドボドボと酒を注ぐしんぱっつあんさん。


…零れてる!
零れてます、しんぱっつあんさん‼


あんた、大分酔ってんな‼


誰だ、この人が組一番の酒豪だと言ったのは‼




…………………私か‼‼





「しんぱっつあんさん、私、お酒飲めないんです」



さりげなく私は徳利を下げようとした。


けれど、酔っているのにどこからそんな力が出てくるのかと思うほど
強い力で徳利を奪われた。



いや、酔っているからこそ力が強いのか



「何言ってんだ!
 そう決めつけてんのがいけねえんだ。
 一回飲んでみろ。うまいもんだぞお~」



「・・・」




ど、どうしよう。
なんかもう、笑顔で徳利を差し出されているよ


私的に、飲むのはまずいんだけど、
しんぱっつあんさん、私のためについでくれたわけだし・・・



ここは、覚悟を決めて飲むべきか・・・



考えた結果、意を決して飲むことにした

徳利を口にはこぼうとした、のだが、


ヒョイ



「あ。」


「無理して飲むことないよ、紫水ちゃん。
 新八さんも、あんまり紫水ちゃんのこと
 いじめちゃだめですよ」


沖田さんに、徳利ごと取り上げられた。


「おう!
 総司か!!おまえも飲んでるかあ??」



永倉さんは徳利を取られたのを気にも留めず、笑顔で沖田さんに話しかける



「うわあ、かなり酔ってますねえ。
 これは左之さん呼んだほうが早いかな?」



沖田さんは考えるそぶりをして
すぐに、左之さんをよんだ。






.