新撰組(仮)

その言葉に、また土方さんの顔が歪んだ。



「必ず、半月で戻ってこい」



「土方さん…」



「返事は」



「…」




素直に頷けない自分が、歯がゆかった。


できる事なら、半月だって離れたくないのに。



しかも、本当に半月で戻ってこれるのかも分からない。



だから、頷けなかった。




「おい…?」




私のうつむいた顔を不思議に思ったのだろう、土方さんの手が近づいてくるのが分かった。


肩に手をおかれて、顔を覗き込まれても、暗闇だから大丈夫だろうと思っていたが、意外にも土方さんの手はとても近くで触れた。



「なんで、泣いてんだよ…」



いらだたしげに呟かれた声。


その行動に、私は驚きで目を瞬いた。



肩に止まるかと思った手は、私の頬に触れてそのまま顔を上向かされた。


これじゃあ、今まで泣きそうになってたのがバレバレじゃないか。


確かに、自分と一緒にいて泣きそうな顔をされても不満だよね