新撰組（仮）

千春と別れて、部屋に戻ろうと廊下を歩いていたら土方さんに遭遇した



さっきのことがあって、顔が会わせずらかったが暗闇が手伝って、まっすぐに顔を見る事が出来た。




もしかしたら、土方さんの顔を見るのも最後かもしれないしね。



だから、私はさりげなく土方さんの姿を脳裏に焼き付けようとした。




「そんな、泣きそうな悲しそうな顔をするな」


「え…


　わたし、悲しそうな顔してました?」



心底意外といった顔をしたら、土方さんは眉をひそめた。



「なんだその顔は」



「いえ!

　別に、土方さんと会えなくなるのが悲しいとか思ったわけではなくて!!」




これじゃあ、本当に私が土方さんと会えなくなるのが悲しいって言ってるようなものじゃん!



かああ、と顔が上気するのが分かった。


その顔の熱を下げるかのように、土方さんの冷めた声が聞こえた。




「半月だぞ」



「え…?」