新撰組（仮）

近藤さんの許可をもらい、近藤さんが口を開きかけたときにいきなり第三者の声が割って入った。






「良いわけねえだろ、近藤さん」





土方は仏調ずらで襖を開けて、言い放った。






「トシ。


　いや、だがな。
　奏楽くんも用事があると言っているし…」




「それでもだ。



　11番隊隊長としての自覚があるなら、長州の動きの怪しいこの時期に、休暇を取るなんてもってのほかだ」



「しかし…」




どうしよう、まさか土方さんが来るなんて思っていなかった。



土方さんがいたら絶対に止められる、そう思ってわざわざ部屋を移動したのに。




私だって、今長州の動きが怪しいことなんて知っている。


でも、今回ばかりはこっちだって引けない。




どうしたものかと悩んでいると、不意に話しかけられた。






「…水野。お前の用事とはなんだ?」